「marry」は「結婚する」という意味の動詞ですが、その使い方にはいくつかのパターンがあり、文脈や文法によってニュアンスが異なります。
1. 「marry」の基本的な用法
「marry」は他動詞として使われる場合、直接目的語(結婚相手)を取ります。
この場合、前置詞「with」は不要です。「誰かと結婚する」を表現する際、シンプルに「marry + 人」とするのが一般的です。
文型
主語 + marry + 目的語(人)
特徴
直接的でフォーマルな響きがあり、結婚という行為そのものを強調します。主語が結婚する当事者で、目的語がその相手です。
注意
「marry with」は誤りです。
1. Tom married Alice.
トムはアリスと結婚した。
2. She married her high school sweetheart.
彼女は高校時代の恋人と結婚した。
3. He married a doctor from Canada.
彼はカナダ出身の医者と結婚した。
4. They married young.
彼らは若くして結婚した。
5. Jane didn’t want to marry him.
ジェーンは彼と結婚したくなかった。
2. 「get married」の用法
「get married」は「結婚する」という状態になることを強調する表現で、会話やカジュアルな文脈でよく使われます。
「get married to + 人」や「get married」のように前置詞「to」を伴う場合と、伴わない場合があります。
文型1
主語 + get married to + 目的語(人)
「誰かと結婚する」という意味で、「to」が必要です。「with」は使わないので注意。
文型2
主語 + get married
結婚という行為や状態を一般的に述べる場合、目的語を省略して使います。
特徴
「marry」よりもカジュアルで、日常会話で頻出。状態の変化(結婚したこと)を強調。
1. Tom got married to Alice last year.
トムは昨年アリスと結婚した。
2. They got married to each other in a small ceremony.
彼らは小さな式で互いに結婚した。
3. She’s getting married to her fiancé next month.
彼女は来月、婚約者と結婚する。
4. They got married in Las Vegas.
彼らはラスベガスで結婚した。
5. When are you getting married?
あなたはいつ結婚するの?
注意
「get married with」は誤りです。「get married to」が正しい前置詞の使い方です。
3. 「marry」の受動態の用法
「marry」は他動詞なので受動態(be married by …)にすると、「誰かによって結婚させられる」という意味になります。
この場合、キリスト教の文脈で牧師や司祭が結婚の儀式を執り行うことを指すことが多いです。
ただし、現代英語ではこの用法はフォーマルでやや古風であり、日常会話ではあまり使われません。
文型
主語(カップル) + be married by + 行為者(牧師など)
特徴
儀式の実行者を強調。現代では「get married in a ceremony」など別の表現で代用されることが多い。
1. They were married by a priest in a church.
彼らは教会で牧師によって結婚させられた。
2. The couple was married by a justice of the peace.
そのカップルは治安判事によって結婚させられた。
3. We were married by the same minister who baptized us.
私たちは洗礼を受けた同じ牧師によって結婚させられた。
4. 「be married to」の用法
「be married to + 人」は「~と結婚している」という現在の状態を表します。これは「結婚している」という既婚の状態を強調する表現で、「marry」や「get married」とは異なり、結婚の行為ではなく結果や状態に焦点を当てます。
文型
主語 + be married to + 目的語(人)
特徴
現在や過去の結婚状態を記述。継続的な状態を表現する。
1. She is married to a famous actor.
彼女は有名な俳優と結婚している。
2. He was married to his first wife for ten years.
彼は最初の妻と10年間結婚していた。
3. Are you married to anyone?
あなたは誰かと結婚しているの?
4. They’ve been married to each other for 20 years.
彼らは20年間互いに結婚している。
5. I’m not married to anyone right now.
私は今、誰とも結婚していない。
5. 「marry」のその他の用法
比喩的表現
「marry」は比喩的に「組み合わせる」「融合させる」という意味で使われることがあります。
この場合、抽象的な概念や物事を「結婚させる」イメージです。
文型
主語 + marry + 目的語(抽象的なもの)
1. The chef married traditional flavors with modern techniques.
そのシェフは伝統的な風味と現代的な技術を融合させた。
2. The design marries elegance with functionality.
そのデザインは優雅さと機能性を組み合わせている。
3. Her music marries jazz with classical influences.
彼女の音楽はジャズとクラシックの影響を融合させている。
6. 「marry」の誤用と注意点
「marry with」は誤り
英語では「marry with」は文法的に正しくありません。
「marry + 人」または「get married to + 人」を使う。
「get married」と「marry」のニュアンスの違い
「marry」は結婚の行為そのものを指し、フォーマルな文脈で使われやすい。
一方、「get married」はカジュアルで、結婚に至るプロセスや状態の変化を強調。
文化的な背景
「marry」の受動態(be married by)はキリスト教の結婚観に基づく表現で、牧師などが儀式を行う文脈で使われますが、現代では宗教色が薄い表現(get marriedなど)が一般的。
7. 追加例文(さまざまな文脈)
以下は、さまざまなシチュエーションでの「marry」の使い方を示す例文です。
1. He married his childhood friend after years of dating.
彼は長年の交際を経て幼馴染と結婚した。
2. They got married in a beautiful garden ceremony.
彼らは美しい庭での式で結婚した。
3. She’s not sure if she wants to marry him.
彼女は彼と結婚したいかどうか確信が持てない。
4. The couple was married by a close family friend who is a minister.
そのカップルは牧師である親しい家族の友人に結婚させられた。
5. He’s been married to his partner for over a decade.
彼は10年以上パートナーと結婚している。
6. They got married to avoid legal complications.
彼らは法的な問題を避けるために結婚した。
7. The film marries humor with deep emotional moments.
その映画はユーモアと深い感情の瞬間を組み合わせている。
8. She married into a wealthy family.
彼女は裕福な家に嫁いだ。(「marry into」は特定の家やグループに結婚によって入ることを意味する)
9. They’re getting married next spring in Hawaii.
彼らは来春、ハワイで結婚する予定だ。
10. He didn’t marry until he was in his forties.
彼は40代になるまで結婚しなかった。
【まとめ】
marry + 人
直接目的語を取り、結婚の行為を強調。フォーマル。
get married to + 人
カジュアルで、結婚に至るプロセスや状態を表現。
be married to + 人
結婚している状態を記述。
be married by + 行為者
儀式の実行者を強調(やや古風)。
比喩的用法
抽象的なものを「組み合わせる」意味で使用可能。
誤用注意
「marry with」や「get married with」は不可。
このように、「marry」は文脈や文型によって多様な使い方が可能です。
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