副詞の位置と意味

英語の副詞には「文副詞」と「述部副詞」の2つの役割があり、副詞の位置によって文の意味が大きく変わります。

1.  Surprisingly(驚くべきことに / 驚くようなやり方で) 

(1) Surprisingly, she finished the project early.

文副詞

文頭の “surprisingly” は、話し手が「彼女が早く終わらせたこと自体が驚くべき」と感じている。 

 「驚くべきことに、彼女はプロジェクトを早く終えた。」 

(2) She finished the project surprisingly.

述部副詞

文末の “surprisingly” は、動詞 “finished” を修飾し、プロジェクトを終えた方法が「驚くような速さや方法だった」と描写。 

 「彼女は驚くようなやり方でプロジェクトを終えた。」 

(3) Surprisingly, she finished the project surprisingly.

文副詞 + 述部副詞

文頭は「早く終わらせたこと自体が驚くべき」、文末は「その方法が驚くべきだった」。 

 「驚くべきことに、彼女は驚くようなやり方でプロジェクトを終えた。」 

2. 副詞: Quietly(静かに / ひそかに) 

(4) Quietly, he slipped out of the room.

文副詞

文頭の “quietly” は、話し手が「彼が部屋を出たこと自体がひそかで目立たなかった」とコメント。 

 「ひそかに、彼は部屋を抜け出した。」 

(5) He slipped out of the room quietly.

述部副詞

文末の “quietly” は、動詞 “slipped” を修飾し、「静かな動作で部屋を出た」と描写。 

 「彼は静かに部屋を抜け出した。」 

(6) Quietly, he slipped out of the room quietly.

文副詞 + 述部副詞

文頭は「ひそかに抜け出したことへのコメント」、文末は「その動作が静かだった」。 

 「ひそかに、彼は静かに部屋を抜け出した。」

1. 文副詞と述部副詞の違い

文副詞(Sentence Adverb)

文全体に対して話し手の評価やコメントを加える役割を持ち、通常文頭に置かれます。

文の状況や出来事そのものについて述べ、話し手の視点や感情を反映します。

 例: 「~なことに」「~にもかかわらず」など。

述部副詞(Manner Adverb)

動詞や動作の様子(方法、程度、状態など)を修飾し、通常動詞の近く(文末や動詞の後)に置かれます。動作の具体的な性質を描写します。

  例: 「~なやり方で」「~に」など。

2. 副詞の位置による意味の違い

副詞が文頭にある場合、文副詞として機能し、文全体に対する評価やコメントを表します。

一方、文末や動詞の近くにある場合、述部副詞として動作の様子を修飾します。

両方を組み合わせることも可能で、その場合は文副詞と述部副詞がそれぞれ異なる役割を果たします。

3. ポイント

文頭の副詞

 文副詞として、話し手の視点や出来事全体への評価を表す(例: 「~なことに」「~にもかかわらず」)。

 

文末や動詞近くの副詞**:述部副詞として、動作の具体的な方法や様子を修飾(例: 「~なやり方で」)。

両方の併用

 文頭と文末に同じ副詞を置くことで、文全体へのコメントと動作の描写を同時に行うことが可能。

日本語訳の注意

 文副詞は「~ことに」「~にも」など状況へのコメントとして訳し、述部副詞は「~に」「~なやり方で」など動作の様子として訳す。

このように、副詞の位置によって文の焦点が異なり、話し手の意図や文脈に応じて意味が変化します。


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